
トビタテ!留学JAPANのサイトに、留学イベントの一覧ページがある。
5月から6月にかけてのものを眺めていて、率直に「こんなにあるのか」と思った。
対面もオンラインもあって、しかもこれは「公的機関主催」に絞ったページだ。民間まで含めれば、留学情報の量は自分が想像していたよりずっと多い。
「自力では厳しい」という現実
ここで考えてしまうのは、この情報を生徒にどう届けるか、ということだ。量が多いというのは、裏を返せば、生徒が自力でたどり着くのは難しいということでもある。
検索すれば出てくる、では済まない。どの国の、どの時期の、どういう目的のフェアが、目の前のこの生徒に合っているのか。そこを見立てて手渡すところまでが、たぶん本当の意味での支援なのだろうと思う。
つまり高校教員は、留学情報の「キュレーター」になることを期待されているのかもしれない。……正直に言うと、そこまでの仕事は、けっこう大変だ。
自分ひとりで、世界中の留学フェアや奨学金の最新情報を追い続けるのは、現実的にかなり厳しい。
国語の授業準備をしながら、進路の事務もやりながら、留学情報のアンテナまで高く張る……というのは、時間的にも無理がある。
実際のところ、こういう情報は、学校を超えた教員どうしのつながりで教えてもらうことが多い。
一人で抱え込むより、誰かが知っていることを分け合うほうがずっと早い。トビタテ自体も拠点形成支援事業で地域協議会をつくっているし、結局のところ留学支援は「個人技」ではなく「つながり」のほうに近いのだろうと思う。
ちなみにトビタテのサイトには教職員向けのお役立ちガイドもある。
こういうものを起点にしつつ、足りない分は人づてで補う、というのが現実的な落としどころなのかなぁと思っている。
円安というもう一つの壁
もう一つ、最近よく考えるのが費用のことだ。自分が教員になりたての頃と比べると、円安が進んだぶん、留学にかかる費用の感覚がずいぶん変わってしまった*1。
同じ「一年間の海外滞在」でも、当時と今とでは家庭の負担がだいぶ違うはずだ。
トビタテのページには「留学費用削減術」のコーナーもあって、
返還不要の奨学金プログラムも紹介されている。
費用の壁が高くなっているからこそ、「お金がないから無理」で終わらせないための情報を、教員の側がちゃんと握っておきたいところだ。
全部を自分でキュレーションするのは無理だ。
でも、「こういうイベントがあるらしいよ」「奨学金、調べてみたら?」と、入口を一つ示すくらいのことなら、たぶんできる。
完璧なキュレーターにはなれなくても、生徒が世界のほうへ一歩踏み出すときの、最初の道しるべくらいにはなりたいなぁと思う。
*1:為替の水準は時期によって変動するので、正確な数字はそのつど確認が必要。ただ、ここ十年ほどで円安方向に動いたこと自体は、生活実感としても各種報道としても、まず間違いないだろうと思う。




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